相続放棄とは何ですか? その2
ご相談に対応していますと、よく相談者から「放棄」という言葉をお聞きします。
例えば、「今回は主人の弟は放棄しているので遺産分割協議は関係ないんじゃないですか?」というようなことです。
しかしながら、「相続放棄」というのは家庭裁判所で行う厳格な手続なので、一般的な会話の中の「父の実家の相続権は放棄するからお兄さんが引きついでね」というものとは全く異なります。
後者のような場合は、相続放棄ではなく「遺産分割協議」のなかで「○○の不動産については○○が一人で相続する」旨の内容を作成して手続を進めることになります。
よって、家庭裁判所で手続をしていなければ、いくら口で「放棄する」といっていても相続の際には関与することが必要となります。
また、家庭裁判所で行う相続放棄の手続は、それを行うことによって「はじめから相続人でなかったとみなされる」ので、特定の財産ではなくその相続に関する財産については一切相続しない、ということになるのです。