相続コラム

よくあるご質問(自筆証書遺言の方式緩和について)

2019.06.15

相続法改正により始まる、自筆証書遺言の方式緩和について教えて下さい。

平成31年1月13日から、民法が一部改正され、自筆証書遺言の方式が緩和されました。
本改正について、よく勘違いされるのが、「自筆証書遺言はパソコンで作成することが可能になった」ということです。

本改正において、「自筆」を求められなくなったのは、自筆証書遺言に添付する財産目録だけです。遺言書の全文、日付、氏名については引き続き自筆によることが必要です。

例えば、遺言中に
・別紙1の不動産をAに相続させる
・別紙2の私名義の預金をBに相続させる
という記載そのものは自筆によりしなければならないが、別紙1として不動産の登記事項証明書、別紙2として預金通帳の写し等を添付して作成することは可能であるということです。(今までは不動産や預金を特定するための事項も自書する必要がありました。)

このメリットは
① 高齢の方で、長文を自筆することが負担になっていた方が利用しやすくなる
② 財産の特定を添付書類でできるため、記載間違いなどが起きにくくなる
というところでしょうか。

今回の自筆証書遺言の方式緩和で、これまでよりも遺言の利用がしやすくなり、さらに、2020年7月10日に施行される「法務局による遺言保管制度」を併せて利用すれば、家庭裁判所の検認手続も不要になります。
この点において、法改正はとても良いことだと思います。

しかし、方式が変わる自筆証書遺言においても、作成時に公証人や承認の立ち合いを要する公正証書遺言ほどの証拠力を持つわけではありません。
せっかく遺言を作成することを検討されているのであれば、相続人間における争いをできるだけ避けるためにも、当事務所では引続き公正証書での遺言作成をお勧め致します。

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